この学校の創設者が書いた
思い入れのある表札です
板はケヤキと思われます
2600*600の立派なサイズです
学校が新築されたのを機に
消えかかった文字の復元と
板をきれいにしたいという学校の意向に
応える お仕事です
板をきれいにする前に
文字を縁取り保存し
輪郭を見失わないように
コケ、カビ、排気ガスの汚れ
シミを取り除き
サンドペーパーで表面を整えます
ここまでにするのに2日を要しました
板をしっかり乾燥させるために
しばらく放置します
とのこ(泥みたいな)を塗りこみ
拭き取ります
この時、木が持っている特有の色を
引き出すために染料も混ぜます
やりすぎると 後悔するので
ちょっとです
こんな感じになります
この場合上の方に色が濃く出ているので
次の工程で修正します
次はサンディングを吹き付けます
左上のカップに入っているのがサンディングです
ここでも少し着色をします
木の濃く出る色を少し抑えました
これで吸い込みは止まります
文字入れです
いっぺんに書くと取り返しがつかないので
クリアーを混ぜ慎重に輪郭を確かめながらの
作業です
出来上がりです
オリジナルの書体を
払い、溜め、跳ねなどの要素で
1ミリも変えない努力をしました
またレタリングにならないよう
筆の動きを感じる色の調整をしました
アクリルウレタンの塗料ですが
杉を焼いた墨をよく混ぜ質感にこだわりました
結局 筆を使いました
かすれは赤テン筆で
エッジは平筆で
筆は本当に使い慣れたものが一番です
納品したとき 皆さんが 学園長の字だと
笑顔で褒めてくれたのがうれしかったです
この男らしい字を感じながら仕事ができて
幸せです